一言に、「歌声」と言っても、様々な種類があることをご存知でしょうか。
「地声」や「裏声」であれば耳にしたことがあると言う方も多いかもしれません。
実際にはもっと細かく分けた、「歌声の種類」が存在します。
これから様々な歌声の種類についてご紹介します。
目次
地声|胸声(チェストボイス)
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地声とは、クラシックなどでは胸声(または、チェストボイス)とも呼ばれ、まさに普段の会話で出しているような声です。
咽頭(いんとう)は低い位置にあり、低い声を出すため声帯は高い声を出すと機よりも緩んでいますが、左右のヒダはピタッと合わさって閉じています。

胸声を出す場合、肩や喉に力を入れないよう注意しましょう。
また、息が鼻腔……つまり眉間に抜けていくイメージで発声してみてください。この時、胸に手を当ててみると、胸にも音が響いている感覚が得られます。
詳しくは、「地声(じごえ)とは|意味や地声の出し方、鍛える方法などの知識」をご覧ください。
裏声

裏声にはいくつかの種類があります。それぞれ覚えておくと、自分がいまどんな声を出しているのか理解できるため、歌の抑揚のつけ方などのスキルアップにつながります。
関連記事:裏声を鍛えるための練習方法|簡単トレーニングで声量もアップ?!
ミックスボイス
ミックスボイスとは、別名ミドルボイスとも言われ、地声と裏声があわさったような声のことです。チェストボイスとヘッドボイスをミックスさせる発声とも言われます。
ミックスボイスは、地声のまま発声し上咽頭部に響かせるよう意識してください。そしてブレスを混ぜて、軽めに、やわらかく発声することで出せるようになります。
- 肩や顔まわりの力を抜く
- 口の中に空間を作る表情をする
- 目元から声が抜けていくイメージで声をだす
発声方法を詳しく知りたい方は「ミックスボイス(ミドルボイス)とは|知識と出し方をわかりやすく解説」をご覧ください。
【ミックスボイスの練習におすすめな曲】
ATSUSHI(EXILE)さんの「あなたを守るために…」です。
しっとりと滑らかに歌い上げるATSUSHIさんのこの曲は、ミックスボイスのコツを掴むのにおすすめです。
頭声(ヘッドボイス)
頭声(または、ヘッドボイス)とは、裏声の発声がベースにありながらも、声帯を閉じて声を出すようにする歌い方です。
過度に息漏れしないように意識してください。そして、上唇をしっかりとあげて、前歯が見えるよう発声しましょう。
- 肩幅と同じくらいに足を開く
- 「はっ」とため息をついて肩の脱力をする
- 膝を軽く落として内側に向ける
- 2m先にある物に声を届けるようなイメージで発声する
詳しくは「頭声・ヘッドボイスとは|発声の仕組みや練習方法などの知識」をご覧ください。
【ヘッドボイスの練習におすすめな曲】
X JAPANさんの「紅」です。
最初は裏声で練習して、慣れてきたらヘッドボイスで歌ってみると良いでしょう。ただし、X JAPANのボーカルToshiさんのように、しゃがれ声を真似ることは、喉に負担がかかるため、NGです。
ファルセット
ファルセット=裏声と認識されている方も多いのではないでしょうか。
正式には「息が多く含まれている裏声」です。イメージが湧かない方は、ライブで盛り上がった時などに、アーティストに向けて「フー!」などと叫ぶ時の声を思い出してみてください。
- 体の力を抜く
- 声が頭の上から抜けていくのをイメージしながら出す
- 口の中を開ける
- 声(息)を細く長く出し続けるイメージで声を出す
吐く息に、そっと声を乗せてあげるような感覚で歌ってみてください。詳しい発声方法は「ファルセットとは|カラオケで気持ちよくファルセットを出す方法」をご覧ください。
【ファルセットの練習におすすめな曲】
米良美一さんの「もののけ姫」です。歌の始めから終わりまでファルセットを使用するため、集中してファルセットをマスターしたい時におすすめです。
その他の歌声

地声、そして裏声だけでも様々な種類がありますが、歌声には他の種類もあります。
ウィスパーボイス
息まじりにやさしく囁くような声をウィスパーボイスと言います。どことなく切なく、かわいらしい印象を与えてくれる歌声です。
ため息をつくような感じで息を出し、その息を上顎に当てるようにしてみてください。慣れてきたら声のせていきましょう。続けていくことでウィスパーボイスが習得できます。
- 体の力を抜く
- 優しく息を吐く
- 息の吐き方のイメージがついたら声を乗せてみる
詳しい発声方法は、「ウィスパーボイスとは|邦楽・洋楽の歌手例と声の出し方について」をご覧ください。
【ウィスパーボイスの練習におすすめな曲】
Charaさんのレモンキャンディです。日本人アーティストでウィスパーボイスを使う歌い手といえばCharaさんではないでしょうか。
ホイッスルボイス
ホイッスルボイスはスーパーヘッドボイスとも呼ばれ、超高音の声のことを言います。笛が鳴るように突き抜ける声ですが、声帯と息をほとんど使わないという特徴があります。
ホイッスルボイスは、正しい発声をする体の土台ができていないと習得が難しい歌声です。無理にホイッスルボイスを出そうとすると喉を痛める可能性があるので注意しましょう。

声帯を閉じた状態から息を吐きつつ声を出し、後頭部に響かせるように意識をすることがポイントです。
【ホイッスルボイスの練習におすすめな曲】
MISIAさんの「つつみ込むように…」です。イントロ部分からホイッスルボイスが出てきます。はじめは裏声で練習をして、体を慣らしていきましょう。
どの歌声も喉に力を入れないことがポイント

歌声の種類を見てみると、プロのシンガーはどれだけ多くの声を使い分けているかがわかります。
どの発声方法にも共通して言えるのは、練習後に少しでも喉に痛みを感じた場合、きちんとした発声ができていないということです。
その際は、もう一度しっかりと発声方法を見直してみましょう。一度コツを掴むと、スムーズに発声できるようになりますので、楽しむ気持ちを忘れず練習してみてください。