「響く魅力的な音を出したい」、「低音の部分が綺麗に出ない」と悩んだ経験はないでしょうか。胸声(チェストボイス)は話し声に似ていると言われていますが、具体的な発声方法をよくわからないか方もいらっしゃると思います。
胸声(チェストボイス)で歌うのは歌うことの基本になりますので、是非、習得しておきたいところです。今回は、胸声(チェストボイス)についてご紹介します。
目次
胸声(チェストボイス)とは
一般的に低音部分で使うのが胸声(チェストボイス)です。
地声のことを専門的に胸声と言います。胸に響くような声を指します。
胸声(チェストボイス)は地声とも呼ばれていて、この場合は、裏声に対する地声という意味です。ポップスにおける、基本のチェストボイスは喋りで使っている音域です。
目安の音域

一般的に男性はミドルC上のE♭より下、女性はミドルC上のA♭より下の音域はチェストボイスで歌います。
発声の基本はゆっくり、そして多く
歌うシーンに合わせて、チェストボイス、息の多めのチェストボイス、ライトチェストなど使い分けます。胸声は話し声に近い音程なので、音程の操作やビブラートなども簡単に出来ます。
歌声には、3つの音域の「声区」があります。
頭声(ヘッドボイス) | 高音域 |
中声区(ミドルボイス) | 中音域 |
胸声区(チェストボイス) | 低音域 |
発声における胸声区(チェストボイス)は低い音域です。
低い音域「胸声区」での発声方法の基本は、高い音域よりも息の速さを「ゆっくり」、息の量を「多く」出します。
チェストボイスの出し方
チェストボイスの出し方をご紹介します。
以下に挙げた5つの項目を意識して練習してみてください。
体の力を抜く

体に力が入っていると、緊張で筋肉がけいれんを引き起こし、声が震える恐れがあります。
また、体に力が入って緊張状態が続くと、口の中が渇き、発声に異常が生じてしまうこともありますので、体の力を抜くことは重要なポイントです。
体の力を抜くことで発声がしやすくなります。
体の力を抜く方法として、ため息をついたり、体を軽く揺らすことをおすすめします。
※緊張しやすい方は「話すとき声が震える悩みの解決方法|実践で使える話し方のコツ」を読んでみてください。
肩を軽く内側に入れる

発声をする時に、肩を軽く内側に入れてみましょう。
肩を軽く内側に入れることで、声が体の中心に集まり、声に厚みが出ます。
肩をリラックスさせるのがポイントです。後ろに引かず、上げすぎず、下げすぎず、余計な力が入らない位置にとどめてください。
顔を少し上げる

顎を引いたり、顔を下に向いた状態で歌うと、声が胸に響きにくくなります。
顔を少し上げた状態で発声しましょう。顎を45度程度、上に傾けます。
口角(ほっぺ)を上げる

口角を上げるとよく通る響のある声になります。
笑顔を作るように口角を上げましょう。
【メリット】
・ 聞き手は歌詞を聞き取りやすくなる
・表情筋が上がり、口の中が広くなることで声が響きやすくなる
前歯の隙間から声が抜けていくイメージで発声する

胸声(チェストボイス)が「抜けていない」、「通っていない」、「こもっている」などの問題を持っている方は少なくありません。
そのような悩みを解決したいために、声帯に意識が行き過ぎて、結果的に負担をかけ過ぎてしまい、声帯を痛めてしまうケースもあります。
問題を解決する方法として、前歯の隙間から声が抜けていくイメージで発声することです。このイメージで発声すると、声が出しやすく、声が通るようになります。
胸声がうまく出せないと思ったときの確認ポイント
胸声がうまく出せないと思ったときの確認ポイントをご紹介します。
デコルテに手を当ててみる

チェストボイスは「胸声」なので、声を胸に響かせます。
声を出しながらデコルテ(首から胸下の部分)に振動が感じられれば、チェストボイスが胸に響いていますので、より共鳴した良い声が出ているのを確認できます。
口の中に空間ができているか見直してみる

口の中に空間ができているか見直し、口の中が適度に広がることによって声が共鳴しやすくなります。結果、抜けの良い声を出せるようになります。
また、口の中を縦や横に開くことで喉も連動して開くようになります。
喉を開くことで楽に声が出せるようになります。これは、首の力みが取れるからです。
良い胸声(チェストボイス)を出すには喉を開く必要もあります。
喉を開くと空間が広がり、声がより共鳴しやすくなります。
ボイストレーニングでは口の中の空間を広くとるというのが基本です。
割り箸を横にくわえるトレーニングをするのも良いでしょう。
口角を上げるために、少し笑顔になることがポイントです。

このトレーニングをすると、口の中、舌、喉からの力が抜けます。つまり、なるべくリラックスし、必要なところだけ力を使って声を発声することが重要なのです。