ホイッスルボイスは文字通り、笛のような鋭く高い声を指します。
ヘッドボイスよりもはるかに高い音域を発声するための技術であり、聞こえる音としては笛のようなピーという音です。
ホイッスルボイスを出せるアーティスト、人はたくさんいるかもしれませんが、それを上手に使える人は非常に少ないです。ホイルッスルボイスの理解を深めていきましょう。
目次
特徴

ホイッスルボイスとは笛のような高い声で人間が出せる1番高い音域です。
歌手は曲中でホイッスルボイスを使うケースがあります。
声帯をほとんど振動させない
この発声法は声帯をほとんど振動させません。
ホイッスルボイスは、声というより、叫び、奇声に近いです。他の発声法は声帯を振動させて声を出しますので、ホイッスルボイスは特殊な発声法と言えるでしょう。
母音を発音できない
ホイッスルボイスの音域では母音を発音できないのも特徴です。
ホイッスルボイスで言葉(歌詞)を発することはできないため、曲中ではごく限られたシーンのみ使用されます。ホイッスルボイスはサビやエンディングなどで、盛り上げるために使われることが多いです。
ホイッスルボイスは特殊な技能の1つで、西洋音楽における楽器のフラジオレット奏法のようなものです。音楽的に使いこなせる人は少ないです。ホイッスルボイスを習得すると出せる音域が広がります。
ホイッスルボイスの例
参考:Minnie Riperton – Lovin’You
「Lovin’You」のサビではホイッスルボイスが使われています。歌メロディの中に、小鳥が鳴くような声が出てくるかと思います。これがホイッスルボイスです。ミニー・リパートンのホイッスルボイスは他の歌手らにも影響を与えています。
ホイッスルボイスの出し方
ホイッスルボイスを出すには声帯閉鎖ができることが最低限の条件です。
まず、吸気発声を身につけましょう
それは息を吸いながら声を出すことです。息を吸うと同時に「アー」という声を出す感覚です。しゃっくりをした時に声が出てしまうイメージです。
吸気発声で高い声を出します
何度も挑戦しますと、非常に高い声が出るはずです。
これがホイッスルボイスの元となります。そして、次にその感覚を、息を吐いた時でもできるようにしましょう。
最初は息が詰まったような感じで、かなりでにくいかと思いますが、何度も練習を重ねていくうちに、声が出せるようになっていきます。
声が真後ろに伸びていくイメージで発声する
後頭部に手を当ててみると、頭と首の境目から骨が凹んでいる箇所があるかと思います。その辺りに向かって声が伸びていくイメージで発生すると習得しやすいかもしれません。
発声時の注意

無理な練習は控える
ホイッスルボイスの発声では、声帯を開いてごくわずかな部分を振動させて発声します。声帯のごく小さな部分を振動させるので、ほとんど振動していないかのような状態です。
声帯を閉じていますので、声帯を通る息の量もごくわずかです。
この状態が、笛のような超高音を生みます。ホイッスルボイスは誰でも出せる発声法ではありません。無理な練習は、声帯を傷つける恐れがあるので、気をつけてください。
難しいと感じる方は、息を吸いながら練習をするのが効果的です。
人間の性質上、身を守るために、息を吸うときは悪いものを吸い込まないよう、声帯は閉じやすいようになっています。息を吐くときはその逆です。
この原理を利用して、最初は吸いながら高音を出す練習を行い、声帯への力のかけ具合などを参考にしてから、息を吐いたりして発声してみましょう。
ホイウォーミングアップを心がける
体の力を抜く(無駄な力を抜く)ことで発声がしやすくなります。
体の力を抜く方法として、体の部位をほぐしておくことをおすすめします。
特に喉をほぐしておきましょう。喉のまわりの筋肉はその他の身体の筋肉とつながっています。
例えば、肩がガチガチに固まっている場合、喉の筋肉がリラックスしているとは考えられません。身体全体の筋肉の緊張をとくために、ストレッチや呼吸のエクササイズから始めます。
まずは、脱力する必要があります。「アー」と歌いながら、首を左右に動かしながら力を抜きます。体をブラブラさせるのも良いでしょう。
人間はどのまわりの筋肉でも、動きの1つ1つは声に何らかの影響を及ぼします。
声のコンディッションを整える
ハミングで音階を練習し、さらに「アー」と歌いながら音階練習をします。筋肉の反応状態を確認しながら行います。
そして、余分な力が入っていないかどうか確かめてから、調子がよければホイッスルボイス(発声)に移りましょう。
おすすめの練習方法

まずは、息を吸いながら声を出す練習。
息を吸うことで声帯が閉じた状態を使い、そこから声を出すイメージです。
声帯を閉じた状態が保つことが出きたら、次は息を吐いて、高い声を出す練習をしましょう。
最後は、この高い声を保つ練習です。
高い音を保つのと同時に音程を正しく保つ練習を合わせて行ってください。
ホイッスルボイスの音域には個人差があります。
自分の音域を正しく把握したい場合は、プロの音楽家やボーカルトレーナーに相談してみましょう。