ヴォーカルトレーニングや発声練習の経験がある方は、「母音」や「子音」という言葉を耳にしたことはありませんか?
実は、歌が上手くなりたい方は、「母音」を使いながら歌えるようになることがとても大切なのです。しかし、「母音」とは一体何のことかよく分からない方もいるかもしれません……。そこで今回は、歌の上達でとても大切な「母音」や「子音」について解説します。
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目次
「母音」と「子音」って何?
まず始めに、「母音」と「子音」とは一体何なのか確認していきましょう。
母音とは「あいうえお」のこと
母音は簡単に言うと「あいうえお」で、“声帯と口の開け方で作れる音”のことを言います。なぜ母音なのかというと、「かきくけこ」や「さしすせそ」は同じ音を伸ばし続けると母音になるからです。
例えば「か」を「かー」ずっと伸ばしていくと、いつのまにか「あ」に変わっているはずです。「す」を「すー」と伸ばしていくと「う」に変わります。
「あいうえお」は、日本語の50音を作る土台となっているため、「母音」と呼ばれているのです。
子音とは舌や歯を使ってだす音のこと
子音とは、母音とは異なり声帯を通ってきた呼吸に加えて舌や歯を使ってだす音のことを言います。その場で「た」や「て」を発声してみてください。言葉を発する時に、舌が前に向かってつき出ているがお分りいただけるでしょう。
子音だけの音とは
ちなみに子音だけの音は、日本語の50音では「ん」しかありません。しかし、その他の50音は母音と子音を組み合わさって成り立っています。50音をアルファベットに直すと分りやすいです。
下図を見てください。「なにぬねの」は「N」の子音と「aiueo」の母音が組み合わさってできています。
母音を上手に使うことで歌の表現力はアップする
歌の中で母音を強調することで、表現力豊かな歌に変わります。
歌が“棒読み”になってしまう方は、歌のメロディで伸ばすところや強調したい歌詞の部分を母音にして見てください。例えば、中島みゆきさんの「糸」のサビ頭の歌詞は下図のように歌います。赤文字のひらがなを強調して歌うのがポイントです。
なんとなく、いつもより上手く歌えている感覚が得られるでしょう。もし、実感が湧かない方は、友達や家族などいつもの歌声を知っている方に聴いてもらえば「いつもと違う」と感じてもらえることでしょう。
高音が苦手な人にもおすすめ
ちなみに、高音やロングトーンが綺麗に出せないという悩みも、母音を強調して歌うクセをつけることで少しづつ改善されていきます。
歌の上達には母音と仲良くなることが大切。歌う時に意識してみよう
ヴォーカルトレーニングや発声練習をすると、必ずといって良いほど「母音」や「子音」という言葉を耳にします。「母音」「子音」の違いをある程度理解し、歌う時に「母音」を強調することを意識するだけで表現力のある歌へと変わっていきます。
最初は慣れないかもしれませんが、カラオケなどで歌う時はぜひ「母音」を意識してみてください。