綺麗な発声を身につけるには、丹田(たんでん)を意識することが大切だと言われています。
主に、“丹田式発声法”などと呼ばれ、歌や話し方のトレーニングでは欠かせない練習法のひとつです。歌や話し方など“発声”に関する分野以外には、野球・テニス・ゴルフ・剣道などのスポーツで丹田を軸にした姿勢の作り方が教えられています。
しかし、丹田を使った発声とは一体どうすれば良いのでしょうか? 具体的なやり方について確認していきましょう。
目次
そもそも丹田ってどこにあるの?
丹田は、おへそから指2〜3本ほど下の高さの位置から奥に進んだところ、体の中心部にあります。下図を見ていただければおおよその位置をイメージいただけるでしょう。
イメージがつかない方は、鏡の前で立って丹田の位置を確認してみると良いかもしれません。
※ちなみに気力が集まるところとも言われ、スピリチュアル的な要素もあるようです。
丹田式の発声法を身につけると高音が出やすくなる?
丹田式発声法とは簡単に言うと、体の支えを足ではなく丹田にして声を出すことです。丹田が軸になることで、姿勢のバランスがよくなり、普通に立っているときより安定するため体に無駄な力が入りにくくなります。
高音が出やすい体の状態
高音が最も出やすいのは体に力が抜けた状態。つまり、丹田を支えにした発声法を身につけると高音が出やすくなると言うのは理にかなったことなのです。
その他のメリット・期待できる効果
丹田を支えにした姿勢で発声することは、高音が出しやすくなるだけではありません。
他にもさまざまなメリットや期待できる効果があります。例えば、
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などが挙げられます。歌が上手くなりたい人や、正しい発声で話せるようになりたい人はぜひ覚えることをおすすめします。
丹田に力を入れるのはダメ!正しい丹田姿勢の作り方
人によっては「丹田に力を入れて」「お腹に力を入れて!」と言うかもしれません。
私もボーカルトレーニングの勉強を始めた頃、必死になってお腹に力を入れて歌う練習をしましたが苦しいだけでした。
お腹に力を入れて歌うのは正直無理です……。力を入れても大きい声や綺麗な声は出ません……。そこで、正しい丹田を支えにした姿勢の作り方についてまとめました。
【丹田を支えにした正しい姿勢の作り方】
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ため息をつくなどして肩の力を抜く
「はぁ」とため息をつくなどして肩の力を抜きましょう。上半身を揺らしてみるのもひとつの方法です。
足を肩幅に開く
次に足を肩幅または、肩幅よりも少し狭いくらいに足を開いてください。
気持ち膝を下に落とす
少しだけ膝を下に落としてみてください。イメージがわかない方は、膝を軽く曲げていただければ大丈夫です。
写真の見本は曲げすぎです。周りから見て「少し曲げてる?」と思わせるくらい少しに留めてください。
膝小僧だけ軽く内側に入れる
膝小僧だけ軽く内側に入れるようにしましょう。ただの内股にならないように注意が必要です。
お腹痛いときをイメージしながらお腹を折る
背中のラインがS字からI字になるよう、おへそを中心にしてお腹を軽く折るようにしてください。
始めは慣れず、苦しいと感じる方がいるかもしれませんが、体の力を抜きながら姿勢を作ることを意識すると上手くできるようになるでしょう。
正しくできているかの判断ポイント
太ももの前面が痛くなるのではなく、内側が痛くなることです。できているか不安な方は、軽く足に力を入れたときに内側の太ももが痛くなるか確認してみてください。
丹田に力を入れると言うよりも“丹田を軸に体を据える”または“意識して姿勢を整える”方がしっくりくるかと思います。
難しいと感じた人におすすめ!超簡単にできる方法
丹田を意識した姿勢作り。感覚が掴めないとなかなか難しいかもしれません……。そこでおすすめなのが、片足に体重をかけて立つことです。
ふかわりょうさんがネタをやるときのポーズやモデル立ちのように、どちらかの足に体重をかけてみてください。それだけで丹田を軸にした姿勢は完成します。
画像引用元:exciteニュース
このとき、上半身も軸となる足の方に寄せることを意識してください。いつもより声が出しやすくなります。
腹式呼吸も取り入れてさらに綺麗な歌声に!
丹田の姿勢ができたら、ぜひ腹式呼吸も取り入れながら歌ってみてください。より、綺麗な歌声に変わります。
腹式呼吸のやり方
腹式呼吸のやり方について知りたい方は、「腹式呼吸のやり方は難しくない!誰でも簡単にできる方法」や「歌の先生が教える「練習しても腹式呼吸ができない」理由」をご覧ください。
丹田は正しい発声に必要な体の支え!姿勢作りを覚えよう
丹田を軸にした姿勢の作り方を覚えることで、高音が出しやすくなったり、声量がついたり、喉が苦しくなくなるなどの効果が期待できます。
実際、生徒さんに丹田を使ったときの姿勢とそうでないときの姿勢で歌ってもらうと歌いやすさに違いが出ることを感じていただけます。
ラクな状態で上手に歌えるようになりたい!そう思われた方はぜひ、丹田を軸にした姿勢の作り方を覚えましょう。