歌に響きがある人は、口の中が空いている(高さがある)という特長があります。実はこれ、口腔共鳴(こうくうきょうめい)と呼ばれるヴォーカルの技法なのです。
ボーカルや話し方などのトレーニング経験者で、「口の中を響かせて!」などと言われたことがある方もいるかもしれません。
しかし、実践しようと思っても、歌うとき、“口の中を響かせる”には具体的にどうすればいいのか悩むものですよね……。
そこで今回は、歌における“口の中を響かせる”はどういうこと?口腔共鳴の具体的なやり方についてご紹介します。
目次
口腔共鳴=口の中を響かせる。まずはイメージ
歌うときに“口の中を響かせる”。まずは、どうすると声が響くのかイメージすることから始めましょう。
誰でも一度は経験していること
一旦、口の中のことは忘れてください。
今までに、いつもと同じように歌ったり声を出したりしているだけなのに、声が大きく響いているといった経験はありませんか?
お風呂または体育館で声を出す
例えば、お風呂や体育館で声を出すと、綺麗に響き、声量が大きくなって気持ちいいと思いませんか? お風呂や体育館で声を出すとなぜ、響きのある大きな声が出るのでしょう……。
それは、お風呂や体育館には高さがあるためです。
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口腔共鳴は“口の中に高さ”をつければできる
口の中を響かせるとは、口の中に高さをつけて共鳴させ、倍音(ばいおん)を生むことです。つまり、口の中を縦に大きく開けながら歌えるようになればいいのです。
共鳴は他にも種類がある
ちなみに口腔共鳴以外にも、
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という響きの作り方があります。
それぞれのやり方は別の記事でご紹介しますので、今回は口腔共鳴のやり方を具体的に確認していきましょう。
口の中を響かせる方法|口腔共鳴のやり方
それでは早速、口腔共鳴のやり方を確認していきましょう。
1.飴玉を加えたような口の形を作る
このとき、口を開けすぎないように注意してください。大きな飴玉もしくはたこやきを口で挟むくらいのサイズがベストです。
2.硬口蓋の奥から軟口蓋にかけて上げる
引用元:エルメットエーザイ株式会社
舌の上にある空間、口腔を広くするため、硬口蓋(こうこうがい)の奥から軟口蓋(なんこうがい)を上げていきます。
エド・はるみさんの「コーッ」をマネしてみよう
もし、口の中を上げるのが難しい、感覚が掴めない方はエド・はるみさんの「コーッ」というギャグをマネしてみてください。もしくは、あくび・豚の鳴き声をマネしてみると徐々に感覚が掴めるようになるでしょう。
始めは鼻の下を軽く伸ばしてみるのもOK
どうしても感覚が掴めない場合は、鼻の下を少しだけ伸ばして声を出してみましょう。まずは、「いつもより声が出しやすい」と思えればOKです!
3.舌は下の歯のうらに添え、大きな飴玉をのせたように凹ます
引用元:エルメットエーザイ株式会社
舌の真ん中に大きな飴玉がのっているようなイメージを持って凹ましてください。
4.初めては「ホー」と発声練習する
歌で練習するときは、いきなり歌詞で歌うのではなく、「ホー」に変えるのがおすすめです。体に口腔共鳴の姿勢を染み込ませることで、どのような曲でもすぐに対応できる力が身につくでしょう。
練習時に注意して欲しいこと
口の中の響きを作る練習をする際に注意して欲しい2つのことがあります。下記に該当していないか注意しながら練習してみてください。
1.口が横に開いているor大きく開けすぎている
写真のように口が大きく空いていたり、「イーッ」と横に開いていると響きが逃げてしまいます。
2.顎を下げて口の中の高さを作らない
中には、口の中に空間を作ろうと意識するあまり、あごを下げてしまう方もいるようです。この場合、無駄な力が入ってしまい響きが失われてしまいます……。また、アントニオ猪木さんのモノマネになってしまうため止めましょう。
口の中を綺麗に響かせて口腔共鳴を取得しよう
歌うときに口の中を響かせることで、より綺麗な歌声になります。ぜひ口腔共鳴を習得して、美声を手に入れましょう!
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