うたうことは好き。だけど、自分の歌声には自信がない。だから人に聞かせるのは恥ずかしい……。ヴォーカルスクールへ来る方のほとんどは、自分がうたうことに対してそんな風に思っているように感じます。
そのため、恥ずかしい思いをしないように音程の取り方を覚えたい、高音が出せるようになりたい、滑舌をよくしたいと相談されることがほとんどです。無意識のうちに、自分の個性をコンプレックスとして捉えているのかもしれませんが、それはとてももったいないことです。
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歌を学びたいならまず「自分の個性」を愛しましょう
どんな人の声にも“個性”や“魅力”があります。始めは自信なさそうにうたっていた方でも、自分にしかない声の特徴に気づき、それがチャームポイントだと思えるようになることで表現力豊かな歌い手へと成長します。
自分ならではの“声の特徴”に気づき、個性を大切にすれば、“自分らしく歌をうたうためには何が足りないか”“何を伸ばせば自分の声はもっと魅力的になるか”という考えに変わります。そうなることで、次第に「この練習は自分の〇〇を伸ばすために役立つ」と前向きな考えに変わるだけでなく、声の変化に対して敏感になるでしょう。
ヴォーカルトレーニングの心得を知る
声の変化に敏感になると、「前よりも高い声が出るようになった」「歌声に響きがつくようになった」と自分自身で成長を感じられるようになります。歌が上手くなるためには、自分自身で成長したと実感することが大切です。
それから、ヴォーカルトレーニングは、自分の声を生かしつつ“幅広い表現をするために足りない部分を補うための手段”として心得ましょう。あなたの個性を潰し、他の人たちと同じような声にすることは、本来のヴォーカルトレーニングが持つ意味に反すると筆者は思っています。
歌声に個性があるってどんな状態?
歌声に個性があるとは、具体的にどんなことを言うのか。個人的な意見ではありますが、息と声の割合や、高さ、抜け方、滑舌、響き具合などが人によって異なり、その人が持つ歌声の個性へと繋がっているように思います。
声を聞いたら誰がうたっているのか分かる。そんな歌がうたえる方が“歌声に個性がある人”に当てはまるのではないでしょうか。カラオケなどで、好きなアーティストの歌い方に寄せてうたう方も少なくありません。
決して悪いことではありませんが、無理して誰かの歌い方をマネしてうたうよりも、自分らしくうたっている方が人の心に響くように思います。
歌声に自信がない方へ……あなたにしかない良さは必ずあります
歌声に自信がない……。そんな方も、あなたにしかない声の特徴や個性は必ずあります。まずは、自分の声にどんな特徴があるのか探ってみてはいかがでしょうか。いろんな歌手と聞き比べても良いですし、ヴォーカルトレーナーに聞いてみるのもおすすめです。
自分が持っている歌声の特徴や個性を知れば、よりあなたに合ったヴォーカルレッスンのプランニングができるようになり、自信を持って歌がうたえるようになりますよ。