声が裏返るケースには、カラオケなどで歌っているとき、話しているときに緊張してしまうなどが挙げられます。歌い方や会話に限らず、大声を出したときに裏返ることもあるでしょう。
声が裏返る原因とは一体何でしょうか。
- 緊張していたから?(心理的原因)
- 高音だったから?
- 大声を出したから?
- 声の病気だから?
さまざまな理由を考えてしまうかもしれません。
そこで今回は、歌っているときや話しているときに関わらず“声が裏返る”原因と対処法についてご紹介します。男性、女性問わず使えるかと思いますので、性別問わずご覧ください。
目次
声が裏返る原因
カラオケで歌っているときや人前で話しているときに、声が裏返ってしまう原因について確認していきましょう。
1.声の病気
声の使いすぎにより“声帯の病気”にかかってしまうケースです。
代表的なものは、声帯にタコのようなものができてしまう声帯結節でしょう。声を使いすぎると声帯に負担がかかるため、喉に違和感を覚える、声が裏返るのです。
病気の状態で声を出すと、さらに声帯に負担がかかる
病気の状態で声を出し続けると声帯が緊張してしまうため、さらに負担をかけることになります。場合によっては、声が枯れてしまうこともあります。
2.ヘビースモーカーまたは風邪を引いている
ヘビースモーカーや風邪を引いて喉が炎症している状態で無理に声を出すのも、裏返る原因のひとつです。
3.緊張(心理的要因)
人前で話す、歌うときに緊張してしまう方は、それが原因となっている可能性があります。
4.喚声点でつまづいているから
喚声点とは、地声と裏声の変わり目のことを言います。地声の限界値と言ってもいいかもしれませんね。
特に、歌い方における声の裏返りが気になっている方は、喚声点の切替が上手くできないことが原因として考えられるでしょう。例えば、高音になると裏返る……と悩まれている方が該当します。
5.無理やりに大声を出した
無理やり大声を出す行為も、声が裏返る原因として考えられます。
6.口を「イ」と開くようにして声を出している
口を「イ」と横に開くようにして発声していませんか? 実は、これも声が裏返る原因のひとつです。
声が裏返る悩みの直し方
声が裏返る問題を解決する方法について確認していきましょう。
1.病気の場合は、声帯を充分に休ませる
まず、声帯結節などの病気を発症している場合は、声帯を充分に休ませましょう。風邪などで喉が炎症している場合も同様です。
必要に応じて専門の医師に診てもらい、薬を処方してもらうのもおすすめです。
声帯を休ませる具体的な方法
声を休ませるには、下記のような方法があります。特に、睡眠が大切です。声帯は、睡眠中しか休むことができません。
声を出さないようにして、声帯に負担をかけないことも必要ですが、しっかりと睡眠をとることを第一に心がけてみてください。
【声帯を休ませる方法】
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食事にも注意しよう!
食事に注意することも大切です。例えば、辛い物や味の濃い物、炭酸やアルコールは控えてください。
逆に、粘膜を作るために必要な栄養素が含まれているお肉や納豆、ビタミンCの多い野菜や果物を摂取するのがおすすめです。
2.緊張する、大声を出すと声が裏返る場合は正しい発声法で克服
緊張する、または大声を出すと声が裏返る方は、正しい発声法で悩みを克服しましょう。
- 軽く息を吐くなどして体の力を抜く
- 軽く上目づかいをする
- 舌の先は下の歯の裏に添える
- 舌の上に大きなあめ玉がのっているイメージを持って舌を下げる
- あひる口を作って声を出す
- 体に力が入ったときは、軽く膝を落とす
詳しい内容は、下記の関連記事でご紹介していますので参考にしてみてください。
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ある程度、声量をつけたいときは…
ある程度、声量のある声にしたいという方は、下記の関連記事をご覧ください。具体的な発声方法についてご紹介しています。
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3.換声点でつまづいている方はミックスボイスで克服
地声と裏声の切替りのところ、つまり換声点で声が裏返る方は、前述でご紹介した正しい発声方法を試してみてください。
それから、裏声を発声するときに使われる筋肉である“輪状甲状筋”(りんじょうこうじょうきん)を鍛えて、地声と裏声の要素を取り入れた声“ミックスボイス”を習得するといいでしょう。
輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)とは、内喉頭筋の一つで輪状軟骨に起始し、鼻唇溝、上口唇の皮膚に付着し甲状軟骨に停止する平滑筋。迷走神経の枝である上喉頭神経に支配される。別名、前筋。声帯ヒダを伸ばして、緊張させ、声を高くする。
引用元:wikipedia
地声と裏声では使う筋肉が違う?!
実は、地声と裏声では使う筋肉が異なることをご存知でしょうか。
裏声を綺麗に出すためには、閉鎖筋というものに加えて、輪状甲状筋を鍛えなければなりません。
地声 | 閉鎖筋 |
裏声・ミックスボイス | 閉鎖筋 輪状甲状筋 |
輪状甲状筋を鍛えるとミックスボイスが習得しやすくなる
声が裏返る場合、輪状甲状筋が鍛えられていないことがひとつの原因に挙げられます。輪状甲状筋が鍛えられていないと、キーが高くなるにつれて裏返りやすくなるでしょう。
逆に、輪状甲状筋を鍛えることで地声と裏声の要素を取り入れた声、ミックスボイスの習得ができます。ミックスボイスを使えるようになれば、地声と裏声の境目が目立たない声を出せるようになるため、キーが高い曲でも裏返ることなくハリのある歌声が出せるのです。
輪状甲状筋を鍛える方法
無理のないキーで大丈夫ですので、「ホー」とロングトーンで発声してみてください。ロングトーン×10セットくらいをコツコツ続けていくことで、輪状甲状筋が鍛えられ、声が裏返りにくくなるでしょう。
4.口が「イ」と横に開く方は、口角の上げ方を覚えよう
口が「イ」と横に開いてしまう方は、口角を上げて歌う・話す癖をつけることで克服できるかと思います。下記の関連記事に、詳しい方法をご紹介していますので参考にしてみてください。
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声が裏返る悩みは改善できる!
声が裏返る悩みは、ほとんどの場合、改善することができます。ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。