喉仏(のどぼとけ)とは、正式名称は喉頭隆起(こうとうりゅうき)と呼ばれ、喉の真ん中あたりにある甲状軟骨(こうじょうなんこつ)の突起のことを言います。
英語ではAdam's apple(アダムスアップル)と呼ばれ、成人男性の首を見ると喉仏を確認することができます。
実は、喉仏は女性にもあることをご存知でしょうか。今回、女性の喉仏に関する知識として、喉仏の位置や声の低さとの関係性についてまとめました。
目次
女性の喉仏はどこにある?具体的な場所
女性の喉仏はどこにあるのでしょうか。男性と同じく、首の真ん中あたりに喉仏があります。
男性よりも喉仏の位置が目立たない理由は2つです。喉仏は、いくつかの軟骨に守られていますが、その軟骨の発達度合いが女性と男性で異なることが原因として挙げられています。
- 軟骨が組み合わさる角度が男性よりも浅いこと
- 軟骨の発達を促進するテストステロンが男性よりも少ない
変声期は、喉仏の付近にある軟骨が急成長することで起きます。女性の場合、軟骨の成長度合いが男性よりも緩やかなため、喉仏が目立ちにくいのです。角度で比較すると、約30度も違います。
男性の軟骨の角度 | 約90度 |
女性の軟骨の角度 | 約120度 |
喉仏の発達の差により、男女で声の周波数は違う
男女問わず喉仏はありますが、発達具合が異なるため、平均的な声の周波数には大きな違いがあります。なんと、男性と女性では1オクターブも差があるのです。
男性 | 120Hz~200Hz |
女性 | 200Hz~300Hz |
ちなみに、下限は100Hzほど、上限は、ホイッスルボイスなどを用いて発声すれば3,000Hzほど出る方もいるそうです。
日本女性は世界で一番声が高い ?!
実は、ドイツにある大学病院の研究によると、日本女性は世界で一番声が高いのだそうです。
女性で喉仏が目立つケースがある3つの理由
中には、女性だけど喉仏が目立って出ている人もいます。
「どうして女性なのに、喉仏が出ているのだろう?」と思う人もいるかもしれません。そこには、3つの理由が考えられます。
1.痩せていて首が細い
ひとつ目は、痩せていて首が細いことが挙げられます。細いが故に喉仏が目立ってしまうのです。
2.声帯が比較的に長い
引用元:J-STAGE
甲状軟骨の隣には声帯があります。
実は、喉仏が出ている原因のひとつとして、声帯が比較的に長いことが挙げられています。
声帯が長いと隣にある甲状軟骨が外に向かって飛び出してしまうため、結果的に喉仏が出ているように見えるのです。
声帯が長い人は短い人に比べて声が低い
声帯の長さによって、声が高い低いに差が出ます。一般的には、声帯が長い人は短い人に比べて声が低いと言われています。
3.甲状腺の病気にかかっている
甲状腺の病気にかかっている可能性も考えられます。甲状腺の病気は主に3種類あります。
- 甲状腺機能の異常
- 甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)で、具体例のひとつとしてバセドウ病が挙げられます。
- 甲状腺の炎症
- 急性化膿性甲状腺炎(きゅうせいかのうせいこうじょうせんえん)
- 亜急性甲状腺炎(あきゅうせいこうじょうせんえん)
- 橋本病(慢性甲状腺炎)など
- 甲状腺腫瘍
喉に違和感や痛みを感じるなどの場合は、専門医に診てもらいましょう。
女性にも喉仏はある|声の低さにも関係性あり
喉仏は女性にもあります。目立っているかどうかは、原因がいくつか考えられますから心配な方は専門医に診てもらうといいでしょう。
ちなみに、声帯が長いと比較的に声は低くなると言われています。また、声帯が長いと喉仏が目立ってしまう可能性は高まりますから、喉仏と声の低さは関係あると考えていいかもしれません。