肺活量を鍛えるトレーニング方法といえば、水泳・マラソン・筋トレ・ボイストレーニングなどをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
肺活量があれば、バラードやテンポが速い曲なども歌いやすくなる、自分自身歌っていて気持ちいいと思えるメリットがあります。
歌がうまくなりたいと思ったら、肺活量も鍛えておきたいと思うのは当然のことでしょう。
とはいえ、具体的にどういったトレーニングをすればいいの?と悩まれている方も多いかもしれません。
そこで今回は、筆者(@ksm_c_emilyplay)が生徒さんに行っているトレーニングで、肺気腫を患っている方の肺活量アップにもつながったメニューをご紹介します。
※今回ご紹介する内容は筆者の経験に基づくものです。
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目次
肺活量とは
肺活量(はいかつりょう)とは、可能な限り肺に息を吸った後に吐き出せる空気量のことを言います。
目安となる基準値はどのくらい?
男性が3500cc、女性は2500ccが基準値とされています。
肺活量の予測値であれば、ke!sanというサイトで調べることができます。性別・年齢・身長を入力すれば自動で計算してくれるので便利です。
下記の式に当てはめても予測値を割り出すことはできます。
女性肺活量ml=(21.78−0.101×年齢)×身長cm
あくまでも肺活量の予測値で実際の数値とは異なる可能性がありますので、参考程度に見ることをおすすめします。
肺活量と声の関係性について|肺活量を鍛えるメリット
肺活量は“息を吐き出す量”を表す指標です。
肺活量が多いと一回に吐き出せる息の量が多くなる訳ですから、少ない息継ぎで歌が歌える、ロングトーンが綺麗になる、バラードやアップテンポなども余裕を持って歌えるようになります。
1日5分〜10分が目安|肺活量を鍛えるトレーニング方法
それでは、肺活量を鍛える具体的なトレーニング方法について確認していきましょう。息を吸うことよりも吐き切ることに重点を置いて練習するのがポイントです。
1日5分〜10分を目安に取り組んでみてください。やり過ぎは禁物です。1日に長くやるのではなく、継続して続けていくことを大切にしましょう。
ストレッチ
息を優しく吸いながら腕をまっすぐ上にあげ、息を吐きながら腕を下ろしてください。(腹式呼吸を取り入れながらストレッチを行う)
腕を下ろすときは左右の肩甲骨を近づけるように意識しましょう。図のように腕を後ろに持っていくように下ろすと上手くできます。
まず始めにストレッチを行い、呼吸がスムーズにできるよう助けてくれるインナーマッスルをほぐすことが目的です。
いきなり肺活量のトレーニングを始めるのではなく、横隔膜や肩甲骨などをほぐすことから始めましょう。
合わせて時計回りと反時計回りで首と腰を軽く回すストレッチも行ってみてください。
ロングブレス
ストレッチが終わったらロングブレスを行います。
ロングブレスとは、息を長く吐く練習のことです。より長い時間息を吐き続けるためには、息の量を調節する必要があります。
続けていくことで息の量のコントロールもできるようになるため、一石二鳥のトレーニング方法です。
【ロングブレスの具体的なやり方】
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始めは30〜40秒を目指し、徐々に吐き切る時間を長くしていってください。
好きな曲に合わせて小刻みに息を吐く
次に、好きな曲のリズムに合わせて小刻みに息を吐く練習をします。
吹き矢をふくイメージで「フッ」と吐くのがポイントです。
好きな曲に合わせて「フッフッフッフッ」と小刻みに息を吐く練習をすることで、肺を小刻みに動かすことができるため、結果的に肺活量アップにつながるでしょう。
3分の曲でも疲れてしまう方も少なくありません。「辛い・苦しい」と感じたときは、無理せず中断するようにしてください。
できる方はエッジボイスで本の朗読
エッジボイスとは、声がプツプツと途切れたように聞こえる声です。映画呪怨に出てくる霊が「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”」と発していた声というと想像しやすいかもしれません。普通に発する声よりも含まれている息の量が少ないのが特徴です。
エッジボイスで発声しながら詩や本の朗読をしてみましょう。始めは1フレーズから始め、徐々にひと息で読める量を増やしていってください。
エッジボイスは別のコラムで詳しいやり方をご紹介しますが、舌に声を這わせるようなイメージを持って細く長く声を飛ばすイメージで発声すると習得できるようになるでしょう。
風船やペットボトルを使ったトレーニングもGOOD
肺活量を鍛えるトレーニングとして、
- 500ml〜2Lのペットボトルの先をくわえて膨らませたり、凹ませたりする
- ひと息でどれだけ風船を膨らませることができるかチャレンジする
といった方法がポピュラーかと思います。
これらのトレーニング方法も肺活量を鍛えるために有効だと言えます。合わせて取り入れてみるといいかもしれません。
肺活量を鍛える器具(パワーブリーズなど)の活用もおすすめ
B'zの稲葉さんが愛用していることで話題になったパワーブリーズなど、呼吸筋を鍛える器具を利用してトレーニングを積むのもひとつの方法です。
引用:パワーブリーズ公式サイト
物によりますが6,000円〜10,000円程度で購入できますので、時間や場所を気にせずトレーニングしたい方は使ってみてはいかがでしょうか。
練習する際の注意点
いきなりハードなトレーニングをしてしまうと、肺はもちろん喉や横隔膜に負担をかける可能性があります。
逆に歌いづらくなってしまうリスクも十分にありますので、無理のない範囲で行うようにしましょう。
【ポイント】
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続ければ増える!肺活量トレーニングをやろう
肺活量アップを目指すためには、トレーニングを継続して行うことが大切です。
今回ご紹介したトレーニングメニューは、練習頻度にもよりますが一ヶ月程度続けていくと肺活量の変化を感じていただけるでしょう。
ぜひチャレンジしてみてください。