高音を出すときに声がかすれてしまう……。その原因は、声帯にあるかもしれません。
そこで今回は、高音がかすれてしまう原因と改善方法について確認していきましょう。
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目次
高音を出すときに声がかすれてしまう原因
まずは、高音を出すときに声がかすれてしまう原因について確認していきましょう。
声帯が綺麗に閉じれていない
声がかすれてしまう原因の多くは、声帯が綺麗に閉じれていないことが原因に挙げられます。
閉鎖筋が発達していない
声帯を閉じるために必要な筋肉である閉鎖筋が発達していないケースです。
この場合、閉鎖筋を鍛える発声練習を取り入れるなどすれば改善できるでしょう。
口が横に開くタイプ
笑うとき、なんとなくぎこちない笑い方になるといったことはありませんか?
口角が、ほっぺを持ち上げるように斜め上に上がっている場合は問題ありませんが、「い」と発音するように口が横に開くタイプの人は口の開け方がひとつの原因になっています。
実は、口を横に開くと声帯も連動して開いてしまうのです。
インナーマッスルの発達具体に左右差がある
呼吸を助けるインナーマッスルの発達に左右差があるなどの理由により、右の肺と左の肺で息の量に違いが出てしまうケースです。
声帯に触れる息の圧力に差が出てしまうため、声のかすれにつながることがあります。
息を細く遠くに向かって吐けない
声が裏返ってしまう原因のひとつには、発声しているときの息が太いことも考えられます。
息を細く吐けない原因は左右の肺で吐ける息の量が異なる、発声時、体に力が入ってしまうことが挙げられます。
喉を痛めているor疲れている
風邪や連日声を出し続けているなどして喉を痛めている、または十分な睡眠がとれず喉が疲れているケースです。
声帯は寝ているときしか休むことができません。そのため、睡眠不足の方や眠りの質があまり良くないという方は、声がかすれる原因に喉が疲れているという可能性も考えられるでしょう。
乾燥している
乾燥している空間で歌ったことが原因というケースも考えられます。
声帯ポリープができている
声帯にイボのような突起ができる「声帯ポリープ」を患っている場合です。
ポリープができることで、声帯のヒダが綺麗に閉じなくなってしまうため声がかすれてしまうのです。
体に力を入れる、休まず声を出し続けるなどの無理をすることで声帯が出血した結果、血腫と呼ばれるかたまりができます。(けっしゅ)これがポリープです。
進行すると高音だけでなく低音などの音域もかすれるようになりますので、すぐ医師に診てもらいましょう。
声がかすれてしまう場合の改善方法
閉鎖筋を鍛えるのにぴったりなエッジボイスで発声練習をする
エッジボイスとは、映画呪怨でおなじみの「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”」と声がプツプツと途切れたように聞こえる声です。
舌の上に大きなアメを乗せるような感覚で、舌を下げるようにして喉仏を下げてから声を出してみてください。それから、舌に沿って細く声を這わせるようなイメージを持って発声するとできます。
エッジボイスを出すとき閉鎖筋が働いて声帯を閉じようとします。エッジボイスでロングトーンの練習を続けていけば、閉鎖筋が鍛えられ声のかすれ問題が解決できるようになるでしょう。
ちなみに、エッジボイスは声の中に含まれる息の量を減らすための練習としてもぴったりです。息を細く吐くのが苦手という人も取り入れることをおすすめします。
口の開け方を意識する
歌うときに口が横に開いてしまうクセのある方は、口の開け方を意識するだけで改善できるでしょう。体に染み付いたクセをとることは簡単ではありません。
常に意識しておくことが大切です。続けていくうちに少しづつ口の開け方が正しい開け方に変わっていきます。
- 斜め上に向かって唇の両端を上げるようにする
- 軽くアヒル口を作るようにして歌う
- 口を真横に開き過ぎないよう意識する
ことで声がかすれる問題は改善できるでしょう。
インナーマッスルの左右差を縮めるトレーニングをする
おへそ近くのお腹を両手で触りながら、腹式呼吸をしてみてください。腹式呼吸はインナーマッスルを鍛えるトレーニングにぴったりです。
お腹の凹み具合が左右対象になっているなと実感できるようになることを目標に続けましょう。息が前歯の隙間から遠くに抜けていくようなイメージで吐き出すのがポイントです。
始めは気づかないかもしれませんが、意識を手に集中させてみるとお腹の凹み具合に左右差があると分かるようになります。
寝る前など、2〜3分意識して練習を続けていくことでインナーマッスルの発達に左右差がなくなってくるでしょう。声の伸びが良くなり声がかすれる悩みも改善されていきます。
加湿をして適度な湿気を保つ
乾燥が原因で声がかすれている場合は、加湿器をたくなどして湿度のコントロールをしましょう。
中には喉を潤すために水をたくさん飲む方もいるかと思います。
しかし、水が声帯を直接潤す訳ではありません。
適度な水分補給は大切ですが、加湿をして適度な湿気を保つことを大切にすると良いでしょう。
40〜60%に保つように心がけてみてください。40%以下になると、喉が乾燥していると感じるようになるので注意です。
正しい発声をして粘液を分泌させる&細く遠くに向かって息を吐くを習得する
部屋が乾燥している訳ではないのに喉が乾燥しているために声がかすれる人は、正しい発声法を取り入れて改善を目指しましょう。この練習方法は、息を細く遠くに向かって吐けない人にもおすすめしたいトレーニングです。
具体的には、「ほー」とロングトーン(声を長く響かせる発声)をします。始めは低い音から始めて、徐々に音を上げていきましょう。限界を超える高さの音にチャレンジするのではなく、無理のない範囲で続けていくのがポイントです。
このとき両手でお餅を上下に伸ばすようなしぐさを入れることをお忘れなく。腹式呼吸を取り入れながら肩の力を抜き、リラックスした状態で発声することで徐々に粘膜が分泌され、喉の乾きが緩和されるでしょう。
そして息が細く遠くに向かって吐く感覚が体に身につくようになり、声がかすれるという悩みが改善されていきます。
声がかすれる…という悩みは解決できる
声がかすれてしまうという悩みは、ほとんどの場合解決できる問題だと言えます。(※もちろん、改善にかかる期間には個人差があります)
今回ご紹介した方法を取り入れて、悩みの克服につなげていただければ幸いです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。