変声期(へんせいき)とは、発声に必要な器官(声帯や喉仏付近にある軟骨など)の成長により、声の音域や音の質が変わる期間のことを言います。
声帯は急成長しますが、その他の発声器官の成長は時間がかかります。発声に必要な器官の成長にバラつき出てしまうことから、音程が取れない、思うように声が出せないなどの問題に直面してしまうのです。
変声期はいつ頃訪れ、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。今回は、変声期の気になる疑問についてご紹介します。
目次
変声期が来るのはいつ?年齢の目安
変声(声がわり)は第二次性徴のひとつであり、12〜13歳頃から始まります。個人差があるため、10歳頃から始まる人もいるようです。
変声期を迎える前は、9〜10mm程度だった声帯も17〜21mm程度に成長し、喉仏の周りにある軟骨も急成長を遂げます。
変声を機に喉仏が目立つようになるのは、声帯や喉仏付近の軟骨が成長し、喉仏(喉頭隆起)押し出されるようになることが理由です。
変声期によって声は1オクターブほど低くなると言われています。
【POINT】
声帯が短い | 声が比較的高い |
声帯が長い | 声が比較的低い |
変声期が終わるまでの期間
変声期が始まってから終わるまでの期間は、約2〜3ヶ月、長くて1年程と言われています。(参照:変声期の音声 と身体発育 について)
ただし、声が完全に安定するには3〜4年程かかるため、その間は無理のない音域の歌を歌う、無理にボイストレーニングをやらないなどの配慮が必要です。
人によっては20歳くらいまで声が安定しないケースもあります。
変声期を迎えると現われる症状
変声期は、声帯が長くなったり喉仏付近の軟骨が成長するだけ出なく、声帯の粘膜が充血したり粘液の分泌が盛んになったりします。
一方で、声帯を支える声帯筋(甲状披裂筋:こうじょうひれつきん)の成長は声帯や粘膜などの成長に追いついていかないため、上手く声が出せないなどの症状が現われるのです。
変声期特有の症状は、変声が始まってから中盤までに一番現われ、変声期が終わりを迎えるにつれて治まります。
【症状(個人差あり)】
変声期の始まり |
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中盤 |
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変声時の症状に関する調査結果
変声時に起こった症状に関する調査結果によると、具体的に下記のような症状を感じるのだそうです。
- 日によって話し声が変わる
- 話し声が突然うらがえったりする
- 声がしわがれぎみで、かさかさする
- 声を出すのが苦しく、ときどき全然でなかったりする
- 大きな声で話せるが、小さな声では話しづらくなった
- 少し歌っただけでもすぐ、のどが痛くなる
- 一息で歌えそうなところが、何度も息つぎをしないと歌えない
- 高い声を出そうとすると、かすれたり、とぎれたりする
- 高い声が出なくなり、低い声が出やすくなった
変声期に関する疑問|女性にも変声期はあるの?
女性にも変声期はあります。
喉仏は女性にもある|場所はどこ?声の低さとの喉仏の関係性とはでもご紹介していますが、喉仏付近の軟骨の成長を促進するテストステロンが男性よりも少ない、声帯の長さが成長しても11mm〜17mm程度であるといったことから、男性のように露骨な変化を感じることは稀です。
そのため、女性の変声は男性の変声よりも気づきにくいのです。
まとめ
変声期は小学校6年生から中学2年生にかけて迎えるケースが多いようです。期間は2〜3ヶ月程度が一般的ですが、個人差があり声が安定したのは20歳になってからという人もいます。
中には、変声期を迎えている間も歌をたくさん歌ったりボイストレーニングをしたりしたいという人もいるかもしれませんが、無理は禁物です。体に無理のないように努め、歌をたくさん歌うのは変声期が終わった後にしましょう。
その間、いろんな曲を聞いて、こんな曲を歌ってみたいなどのイメージをたくさん膨らませておくことをオススメします。