音楽は「ストレス解消に役立つ」とよく言われています。
例えば、通勤するときなどに、好きなアーティストの歌を聴くことでストレスを発散しているという方もいるのではないでしょうか。
実は、「聴く」だけでなく、「自分で歌う」ことによってもストレスが軽減されるなど、うれしいメリットが得られるのです。
そこで今回は、歌を歌うことのメリットについてご紹介します。
目次
幸福感や解放感が得られる|幸福ホルモンの分泌

カラオケで歌うことによって、気分がすっきりしたという経験のある方も多いことかと思います。
歌を歌うことが心と体にどのような影響を与えるのか、具体的にみていきましょう。
ストレスが緩和しいい気分になれる
2003年に広島大学医学部保健学科で行われた研究では、カラオケをするとストレスが緩和されるという結果が出ています。
歌唱後30分経過すると心理的不安状態の数値が低下
この研究では、20代~30代の男性にカラオケで歌ってもらい、その前後で心理的不安状態を表す数値がどう変化するかを測定しています。
すると、歌った後の方が心理的不安状態を表す数値が低く、歌唱後30分経つとさらに数値は低くなりました。
ホルモンが分泌
また、カラオケで歌うとき、初めは他の人からの注目を浴びて緊張しますが、だんだんとリラックスし、歌うのが楽しいと思えてくることはないでしょうか。
これは、緊張や興奮をもたらすドーパミンなどの神経伝達物質を、歌うことで分泌される「エンドルフィン」というホルモンが抑えてくれるからです。
エンドルフィンは運動をしていてハイになったときや、大声を出すときなどに分泌されます。
精神を安定させる効果があるといわれているため、ドーパミンによって昂っていた気持ちがリラックスし、幸福感を得られるでしょう。
このようなホルモンは「幸福ホルモン」とも呼ばれています。
代謝や免疫力アップにもつながる
歌うことは心のストレスを和らげる他、体にもいい効果をもたらすでしょう。
まず、歌うことで全身の細胞が活性化され、代謝がよくなります。
美木良介さんの「ロングブレスダイエット」が話題になっていたことも記憶に新しいのではないでしょうか。
歌うときには息をたっぷり吸ったり吐いたりしますよね。息の使い方も一辺倒ではないでしょう。
声量のある歌声や歯切れのいい歌声にするために勢いをつけたり、ささやくような優しい歌声にするために息を少しずつ使ったりと、その時々に応じて使い分けると思います。
そのように息の使い方をコントロールすることで、たくさんの筋肉を活用します。
すると、血行がよくなり全身の細胞が活性化するので、代謝がよくなるのです。
また、歌うことで免疫力もアップします。
実は免疫力には、自律神経のうち副交感神経が影響しています。
この副交感神経はリラックスしているときに働くので、歌うことにより気持ちがリラックスすると副交感神経が働き、免疫力をアップさせることができるのです。
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美しく健やかな体作りができる(美容・健康)

続いては、歌うことと美容や健康との関係性についてお話ししましょう。
美容面
毎日歌うことによって、美容面にも効果が見られるでしょう。
肌のたるみ改善
鳥山真翔さん著書の「美顔ボイトレ 声を出すたびに美しくなる」がメディアで話題になっているのをご存知の方も多いかと思います。
歌うときには口を大きく開けますよね。口の周りの表情筋をよく動かすので、表情筋が鍛えられ、たるんだ肌が引き締められるのです。
プニプニだったお腹がマッチョになって引き締まる過程をイメージするといいでしょう。
目元が若々しく
高音を伸びやかにして遠くまで通るようにするには、目の周りの筋肉である眼輪筋を使って目をしっかりと開く必要があります。
そのため、ボイストレーニングなどでは眼輪筋をほぐすマッサージをします。
マッサージをすると目の疲れが和らぎますし、目元の筋肉が鍛えられるため、結果的しわが目立ちにくくなるので、若々しい印象になると言われています。
若返る?!
さらに、歌を歌うことでストレスが軽減できると老化ホルモンが抑制され、若くみられるようになるとも言われています。
健康面

歌うことは健康にも大いに役立ちます。
歌を歌うときには胸式呼吸ではなく、腹式呼吸をします。腹式呼吸では腹筋を使って横隔膜を動かすことで息を吸ったり吐いたりします。
インナーマッスル・体幹の強化
そのため、インナーマッスルが鍛えられ、内臓脂肪を燃やすことができるでしょう。
ジムで筋トレをしてダイエットしようとすると、必要以上に筋肉がついてしまうことがあります。
腹式呼吸をするために正しい姿勢をキープすることを意識すると、太ももを引き締めることができますし、体幹を鍛えることにもつながります。
しかし、歌によるダイエットなら余計な筋肉をつけずに体をスリムにできるでしょう。女性には特にうれしいですね。
血の巡りがよくなる
また、先ほどご説明した通り、歌うことで全身の血行がよくなります。
病院にカラオケルームを設け、患者さんに利用してもらったところ、高血圧が改善したという事例もあります。
参考:介護ポストセブン
自分らしくいられる
ここまで、歌うことによって得られる幸福感や、美容・健康との関係についてご説明してきました。
最後に、歌を歌うことで自分らしくいられるというメリットについてご紹介します。
認知症の防止
高齢者が歌を歌うことによって、認知症予防の効果を得られるでしょう。
「主に歌詞を確かめて歌うことは左脳によく、メロディーやリズムは右脳に作用するので、カラオケの画面に流れる歌詞テロップを追いながら伴奏に合わせ、リズムにのって歌えば脳はフル回転。そして特に中高年は、昔好きだった曲やよく歌った曲を歌うことで、当時の記憶や気持ちがよみがえります。この回想がまた、認知症の改善や予防に絶大な効果があるといわれているのです。歌うだけでももちろん健康効果がありますが、カラオケで仲間と一緒に楽しく歌うことも大切です。人前で歌い、人に評価される緊張感、人の歌から得られる癒しや共感も、脳を刺激します」
引用:介護ポストセブン
このように、歌によって脳に刺激を送ることが認知症予防にいい効果をもたらすのです。
1、歌詞を丸暗記して歌う。
引用:浜リハ通信
2、異性の曲を歌う。
3、他の人が歌っているときも口ずさむ。
また歌うことだけでなく、当時の様子を思い出すことも、認知症の予防に効果があると言われているのです。
楽しかったことを振り返るのは、幸せを感じますよね。
好きな歌を好きなように歌える自由
普段、学校や職場などで自分を抑えている人も、歌うときは自分らしく自由に表現できます。
ありのままの自分を出せないことによるストレスは、少しずつ心に負荷をかけていきます。
そんなとき、自由に歌って自分らしさを表現できる場があれば、精神的に余裕を持つことができるでしょう。
筆者は、歌う場で自分の感情を素直に表現することを覚え、心を解放できるようになりました。
新しいことに挑戦する勇気が生まれる
自由に歌うことの楽しさを知ることで、新しいことに挑戦する勇気が生まれるという効果もあります。
例えば、歌うのが楽しいと子供のうちに知れば、将来仕事として音楽活動をしたいと思うかもしれません。大人になってからでも音楽の世界に飛び込みたいと思う方もいるでしょう。
また、プロになりたいとまで行かなくても、発表会などへ積極的にチャレンジしてみようと思うようになった人も少なくありません。
歌うことは、あなたに様々なメリットを与えてくれます。
周りを気にせず、自由に歌う時間を作ってみることをぜひともおすすめします。