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スキャットとは|種類や見本、練習法までわかりやすくご紹介

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 スキャットの歴史は記録されていません。
1926年の “ヒービー・ジービーズ Heebie Jeebies”のレコードの吹きこみのさなか、床に譜面を落としてとっさに思いついたとルイ・アームストロングはいいますが、事実をありのままにいっているわけではないでしょう。

音楽ではスキャットをいろいろな方法で扱います。
楽器経験者でないと伝わらない部分や楽しさはありますが、スキャットは音楽経験者でなくても再現することができます。しかし、意味のない言葉で歌っているのですが、決して適当に歌っているわけではありません。

他の楽器を演奏する時のように、音程やリズムの正確さがあってこそ、素敵なスキャットになります。今回はスキャットについてご紹介します。

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スキャットとは

スキャットとは、楽器を模した声のことです。
いわゆるスキャット唱法で、声もまた楽器になります。

一方、ひとの声を模した(vocalized)音色と音の出し方があります。
話しているかの調子で楽器を演奏することです。管楽器での「トーキング」表現といいます。

実際に、意味のない言葉で歌う歌手はいます。
言葉を器楽奏者のソロに当てはめてうたう歌手もいます。スキャット唱法を生んだ伝統はなにもジャズの占有するものではありません。

世界各地のミュージシャンや歌手も、楽器の音を声でなぞって伝えたり演じたりします。スキャットはブラジルやキューバ、カリブの音楽ではありふれた表現法です。

ポップ音楽でも1920年代のいいまわし「ブープブーパドゥープ boop-boopa-doop」からドゥーワップの「シュープシュープ shoop-shoop」へと、長くその一角を占めてきましたし、ヒップホップの「人間ビート(リズム)ボックス」にまでつながっています。この手法が即興に用いられると、新しいものが生まれます。

スキャットの見本

冒頭に載せた動画以外で、スキャットの見本をいくつかご紹介します。

1. Un Homme Et Une Femme

Claude Lelouche監督の1966年のフランス映画「男と女 Un homme et une femme」は、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞しました。映画「男と女」のメインテーマ曲で、スキャットはサビの部分だけですが、思わず口ずさみたくなる心地良い楽曲です。

2. Eddie Thomas Singers - Lucky Streak

こちらは多人数でのスキャットです。みんなで声を出すだけで楽しいと思わせてくれる楽曲です。音楽にあまり馴染みのない人でも楽しむことができるでしょう。

難しいことは何も考えずに、ただ声を出して楽しむのがスキャットであることが理解できるでしょう。全体的には懐かしい雰囲気の曲です。

このような歌詞が存在せず、楽しく歌えそうなスキャットもあります。

スキャットの種類

スキャットの種類

1. ウー(uh、woo、oo)


「ウー」はハーモニーしやすいです。ポップスのバックコーラスにも多々使用されています。

 2. アー(ah)

「アー」にはダイナミックな印象があります。見せ場となるここ一番というところで使用すると表現が豊かになります。

声の個性が明確になるので、ハーモニーの発声には向いていません。
あまり多用してしまうと、重たい印象を与えてしまいます。クライマックスを意識して効果的に使用しましょう。

 3. オー(oh)

「オー」はアーと同じくサビやサビ前などの見せ場となる場面で使います。
「ウー→オー→アー」とウーとアーの間に挟むことで区別しやすくなります。

 4. ウォー(woh)ウォウ(wow)

ウォーやウォウは、オーと同じように使います。瞬間的に盛り上げる場合、声の音量を一瞬だけ大きくするような場面でも使います。

5. フゥー(fu、whoo)

「フゥー」はウーと似ています。4小節のフレーズであれば、1小節目だけ「フゥー」にして、残りの3小節をウーにする場合があります。

息を多めにするとより強調されるのでより効果的です。

6. トゥー(tu、too)

トゥーは明確に表現されますので、音に輪郭が表れて引き締まります。強調をより強めたいときは「ドゥー(du、doo)」を使う場合があります。

練習方法

スキャットとは歌詞の代わりに「ラララ」、「ルルル」、「ダバディダ」「シュビドゥワ」といった意味のない音声で即興的にメロディーを歌います。

スキャットの練習方法は、とにかくやってみる、です。

巨匠の有名なフレーズをたくさん真似してたくさん練習します。継続してやっていくうちにグルーヴやスウィングが体に自然と馴染んでいきます。

その結果、徐々に即興で出来ることが増えていきます。

スキャット練習におすすめの曲

(1)Me & My/Dub-I-Dub

リズムの良いトランス系のスキャットです。

(2)Saint Preux & Danielle Licari/Concerto Pour Une Voix

TV番組のBGMとして使用されることが多いです。歌詞は無く、ひたすらスキャットで、ハイトーンボイスは非常に美しいです。

(3)Jambra/Pro Stocker

早口や力強さだけがスキャットの魅力ではないことが理解できます。

ジャズらしい演奏ができるようになるのは簡単なことではありません。とにかく練習が必要となります。

スキャットについての理解を深めて、ジャズなどのアドリブ・フレーズを口ずさむ練習をぜひ始めてみてください。

アドリブ力をつけるコツ

音楽ではスキャットをいろいろな方法で扱います。

 例えば、モダニストの詩のようなものというか、中国語ふうなキャブ・キャロウェイの1934年“チャイニーズ・リズム Chinese Rhythm” 、アラビア系ヘブライ(ユダヤ)系スペイン語ふうなスリム・ゲイラードの40、50年代の録音。
おかしな自分語を使ったジミー・ヌーンの28年の“レッツ・ソウ・ア・ワイルド・オート Let’s sow a Wild Oat”。楽器のソロ演奏を声で模倣したレオ・ワトスンの39年の“ジャダJa-da”。

オーケストラを丸ごと真似たものまであり、ミルブラーザーズの初期の吹き込みは巧みなわざで当時のスウィングバンドの演奏を正確に再現しています。

しかし、歌手はただの模倣ではなく、独自の表現をするために自分の声(スキャット)を使うべきでしょう。

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k a s u m i

数百人以上の声をみた経験を持つ、歌の先生ブロガー。バンドSee Emily Playのvo&ba。あなたらしい歌い方を大切にして欲しい。いくつになっても歌や音楽と生きる人生を歩んで欲しい。そんな思いでサイト運営しています。ぜひTwitterフォロー、Facebookのいいねをお願いします!

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