体の使い方トレーニング

ミックスボイス(ミドルボイス)の出し方と練習方法

投稿日:2019年2月16日 更新日:

ミックスボイス・ミドルボイスとは

ミックスボイス(ミドルボイス)とは、地声と裏声が合わさったような声のことをいいます。地声を出すときに働く閉鎖筋と裏声を出すときに働く輪状甲状筋がバランスよく働くことで、喉に負担をかけず、声に芯のある高音が出せるようになります。

輪状甲状筋と閉鎖筋

今回は、ミックスボイス(ミドルボイス)の基本的な知識や出し方についてご紹介したいと思います。

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ミックスボイス(ミドルボイス)の基礎知識

冒頭でも少しご紹介しましたが、ミックスボイスの基礎知識について確認していきましょう。

ミックスボイス(ミドルボイス)とは、地声と裏声が合わさったような声のことで、原語はvoix mixte(ヴォワ・ミクスト)というフランス語からきています。

一般的なポップスを歌うときには、胸声(胸に共鳴させた声)と頭声(頭に共鳴させた声)の間の声という意味で使われています。

胸声は主に低音、頭声は主に高音を発声するときに使われる発声法です。
胸声で低音からいきなり高音を出そうとすると、声門閉鎖(声帯のひだが閉じた状態)が急に弱まってしまいます。
声帯の閉じ方が急に弱まった状態になることで、声帯が振動する様子も大きく変わってしまい、声が裏返る(喚声点の切り替えがうまくいかない)という現象が起こるのです。

声門閉鎖(青い部分(声帯のひだ)が閉じる様子)

しかし、声門閉鎖を徐々に弱めてから高音を出すことができれば、声が裏返るリスクを大幅に軽減することができます。
ミックスボイスを用いることで、わざと地声よりも多く息を流すことができ、急激に声門閉鎖が弱まることを避けてくれるのです。

声を出すときは、主に声帯を引き延ばす筋肉と声帯を緩める筋肉の働きの割合がどのくらいになるかによって、地声か裏声になるのかが変わります。

それぞれの筋肉が働く割合を4:6や3:7など少しづつ変えていくことで、高音でも芯のある歌声になるのです。
筋肉が働く割合をうまくコントロールできれば、同じミックスボイスでも地声に近いもの、ファルセットに近いものと使い分けができるようになります。

ミックスボイスの見本

ミックスボイスってどんな声?
名前は知っているけれど、実際どの声がミックスボイスなのか…判断がつかないという方もいらっしゃるかもしれません。
いくつか、ミックスボイスを出しているアーティストの見本を以下にまとめてみました。

スピッツの「楓」という曲です。サビの歌詞「さよなら」の「ら」がミックスボイスになります。

GLAYの「HOWEVER」という曲です。歌詞の「ゆっくりと歩きだす」の「だす」の部分がミックスボイスになっています。

ミックスボイスは、地声のように力強さもあるけれど、裏声のふんわりとした雰囲気がバランスよく含まれた声であることが実際におわかりいただけたのではないでしょうか。

ミックスボイスの出し方と注意点

それでは実際にミックスボイスの出し方について確認していきましょう。
ちなみに、歌の先生によって出し方のレクチャー方法は異なるかと思いますが、発声の原理は基本的に同じです。
みなさんがやりやすいと思った方法を取り入れてみてください。以下の手順は、私が生徒さんへ個人的に教えているやり方です。

肩や顔まわりの力を抜く

ため息をついてみたり、体を軽く揺らしてみるなどして肩や顔まわりの力を抜きましょう。

口の中に空間を作る表情をする

まずは、口の中に空間をつくるところから始めてみてください。
詳しくは、「高音は口を大きく開けると出るは間違い!歌うときの正しい口の開け方」で紹介していますので、気になる方はこちらの記事をご覧ください。

慣れてくると、徐々に自然と体に表情の作り方がなじみ、「口の中に空間をつくる表情」がパッとできるようになります。


口の中に空間のある表情の作り方は、以下の通りです。

  1. 「お」を発音するときの口の形を作る
  2. 口は縦に指が2本入るくらいのサイズにとどめる
  3. 口角・ほっぺを上げる(軽く目を見ひらいてみるのもOK)
  4. あくびをするときの口で空間を作る

口の中の空間を作るときの注意点は、あごを下げて口をあけないよう注意すること、「い」と口を横に開かないようにすることです。

目元から声が抜けていくイメージで声をだす

図を参考に、声が目元から抜けていくようなイメージで声を出してみてください。目元より上、眉間などから声が抜けていくようなイメージで声を出すと、ファルセットになってしまうので注意しましょう。

また、力強い声を無理に出そうとすると青い矢印のように、上あご(軟口蓋、硬口蓋)に沿って声が抜けてしまいます。
こうすると、ミックスボイスがうまく出せなくなってしまうのでこの点も注意してください。

声をだすときのポイント

ミックスボイスを綺麗に出すときのポイント、それはゆっくり、かつやわらかく声を出すことです。

特に、まじめな性格の人に出やすいのですが、ミックスボイスをだそうと頑張ってしまい、豪速球を投げるように声に勢いをつけてだそうとする方も少なくありません。

この場合は、少し重たいボールを手で持っていてゆっくりと押し上げるような動作を入れながら発声してみてください。

手の動作を入れることで、ただ発声するときよりも脳にアプローチしやすくなるため、ミックスボイスの出し方を体で覚える速度が早くなるでしょう。

ミックスボイスの習得におすすめな練習方法

最後に、ミックスボイスの習得におすすめな練習方法をご紹介したいと思います。

ミックスボイスの出し方をひたすら練習する

前述でご紹介したミックスボイスの出し方をひたすら練習してみてください。
はじめは注意点に配慮しながら、「あー」「あー」と声をだすだけでOKです。キーは、「ソ・ラ・シ」あたりを念入りに練習すると習得が早い生徒さんが多かったです。

なんとなく発声方法をイメージできたなと思われたら曲で練習してみてください。

ミックスボイスをだすときに必要な筋肉のトレーニングをする

ミックスボイスを出すときに働く筋肉は、冒頭でお伝えした地声を出すときに働く閉鎖筋と裏声を出すときに働く輪状甲状筋です。

正しい発声で地声をだす練習と、正しい発声で裏声を出す練習をとりいれることで、それぞれの筋肉を鍛えられるでしょう。

地声、裏声それぞれの練習方法は以下のコラムでご紹介しておりますので、そちらを参考に練習してみてください。

地声の練習方法について:地声(じごえ)とは|意味や地声の出し方、鍛える方法などの知識

裏声の練習方法について:裏声を鍛えるための練習方法|簡単トレーニングで声量もアップ?!

ミックスボイスは難しい…。そう思われている方は少なくありません。
しかし、声の出し方をイメージしながら発声練習を続けていくことで多くの方は習得できます。実際、私が教えた生徒さんもミックスボイスを習得していました。ぜひ、今回ご紹介した内容を参考に練習してみてください。

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k a s u m i

数百人以上の声をみた経験を持つ、歌の先生ブロガー。バンドSee Emily Playのvo&ba。あなたらしい歌い方を大切にして欲しい。いくつになっても歌や音楽と生きる人生を歩んで欲しい。そんな思いでサイト運営しています。ぜひTwitterフォロー、Facebookのいいねをお願いします!

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