「カラオケでちゃんと歌えていると思っていたのに、友達にオク下(オクターブ下)だと言われてしまった……」
そんな悩みをお持ちの方もいると思います。
2chなどでは「オク下で歌うのはダサい」とか、オク下で高得点を出して得意げになっている人を「ドヤ顔オク下マン」と揶揄する声もあり、できることなら直したいと思う方が多いのではないでしょうか。
今回は、カラオケでオク下になる原因と対処法についてご紹介します。
目次
オク下とは?

オク下とは「オクターブ下」の略で、原曲よりも1オクターブ低い音域で歌っていることを指します。
主に、歌声が低い男性が女性アーティストの曲や高音の出てくる男性アーティストの曲を歌うときに、オク下で歌ってしまうことが多いです。
オク下で歌っていることを認識している(意図的にオク下で歌っている)人はいいのですが、問題は無意識にオク下にしてしまっている場合でしょう。
カラオケ採点ではオク下でも高得点は狙える
実は一般的なカラオケ採点は、歌の音程はチェックしていますが、原曲と同じ高さの音域で歌っているかどうかは判定していないのです。
そのため、オク下にして高音のサビを楽に歌える音域に下げていると、思わぬ高得点が出てしまうこともあります。
自覚なしのオク下は低音がネックになることも

その他のオク下の問題点は、高音を出しやすいようにオク下で歌い始めた結果、低音が低すぎて歌えなくなってしまうパターンがあることです。
レミオロメンの粉雪という曲を例に挙げてみましょう

粉雪の最高音はhiA(A4)で、男性の平均的な音域のmid1A(A2)~mid2G(G4)を超えています。そこで、hiAの出てくるサビを楽に歌うために、オク下で歌い始めるとします。
すると、粉雪の最低音はmid1B(B2)なので、このオク下はLowB(B1)となり、ほとんどの人は歌うのが難しい音域になってしまうのです。
無理やり歌いきっても魅力的な歌にはならない
また、原曲の低音域の部分をオク下にすると、歌えたとしてもお経のようにぼそぼそと歌うことになりがちで、あまり歌が魅力的なようには聞こえません。
カラオケ歌うときオク下になってしまう原因

カラオケで歌うときにオク下になってしまうのはなぜでしょうか。
単純に高い声が出ない
高い声が出せないために、歌える音域に下げてしまいオク下になるパターンです。この場合、カラオケのキー調整をすればオク下にならずに歌えることが多いでしょう。
先ほど例に挙げた粉雪もキーを「-2」に調整すると、最高音がmid2G、最低音がmid1Aとなり、男性の平均的な音域に収まり歌いやすくなります。

ちなみに、現在のカラオケではキー調整は「±6~7」の範囲でしか行えません。
もし「-8」などにしたい場合は、キーを原曲の「+4」にして、オク下(-12)で歌うという方法があります。
これは「キー上げオク下」というテクニックで、原曲をオク下で歌うのとは異なり、カラオケファンからも受け入れられているキー調整の手段なのです。
顔の下の部分だけ使って歌っている

歌うときに、顎を上下に動かして口を開けているパターンです。
この歌い方では口角が上がらないので口の中に空間が作れず、口腔共鳴がうまくできません。そのため、豊かな響きを持った高音が出せず、オク下になってしまうことがあります。
音程をとるとき同じところから声が抜けるように歌っている
高い音程も低い音程も同じように歌ってしまっているパターンです。
本来、1音1音、声が抜けていく場所(イメージ)は異なります。

しかしオク下の方は、普段の話し声で抜けていく場所と同じ場所に声が抜けていくよう歌っているケースが多く感じます。
この場合、正しい発声法を身につければ改善できる可能性が高いです。
相対音感の感覚が弱い
相対音感の感覚が弱いために、自分がオク下で歌っていることがわからないパターンもあります。
相対音感とは、ある音が基準の音に対してどれくらい高いか・低いかを判断できる能力のことです。
この感覚が弱いと、基準となる原曲に対して自分の声がどれくらい離れているかを把握できないため、オク下になっても気づけないのです。
オク下かどうかの判断ポイント

自分がオク下で歌っているかどうかがわからない場合、以下の4つの方法で判断してみましょう。
1.人に聞いてもらう
一緒にカラオケに行った友達などに聞いてもらう方法です。
オク下であることを人から指摘されるのは恥ずかしいかもしれませんが、歌を上達させるためと思って指摘を受け止めましょう。
2.録音して比較してみる
スマホなどで自分の歌を録音し、原曲と比較して聞いてみましょう。
原曲を聞いた後にすぐ自分の声を聞いてみて、同じ高さで歌っているように聞こえなければ、オク下で歌っていることになります。
3.オク下判定アプリを使う

オク下判定アプリを使えば、自分がどの高さの音域で歌っているのかがわかります。
iPhoneなら「Soniq Viewer」(有料)、Androidなら「音声スペクトルモニター」(無料)などのアプリがあり、マイク入力した声の音程をリアルタイムで画面に表示してくれます。
4.カラオケの精密採点を使用する
先ほど、一般的なカラオケの採点機能ではオク下判定ができないと説明しましたが、LIVE DAMの「精密採点DX」であればオク下判定をしてくれます。
歌い終わった後に出る得点画面の右下に、キーボードが表示されるのですが、そこに赤いマークが付いている音はオク下で歌った可能性が高い音です。
赤いマークが複数付いている場合は、オク下で歌ってしまっているかもしれません。
オク下を改善・克服する方法

ここからは、オク下を改善・克服するための方法をご説明します。
ミックスボイス・裏声の練習をする
ミックスボイスとは、地声と裏声がまざったような力強い歌声のことです。
ミックスボイスを練習すれば、オク下にしなくても高音を出しやすくなるでしょう。

地声と裏声では働く筋肉が若干異なります。
地声は声帯筋(内側甲状披裂筋の先で声帯靭帯と接するところ)と呼ばれる筋肉が働き、一方、裏声は輪状甲状筋と呼ばれる筋肉が働きます。
歌声で働く筋肉を鍛えることはなかなかないので、発声練習をして鍛えると良いでしょう。そうすることで、原曲に合わせた声を出しやすい体の状態(土台)が作れます。
ミックスボイスと裏声の練習方法はこちら
・ミックスボイスとは|知識と出し方をわかりやすく解説
・裏声を鍛えるための練習方法|簡単トレーニングで声量もアップ?!
上の歯を見せるように歌う

顎をパクパクさせて歌うのを克服する方法です。
口を開くとき、上の歯を見せるようにほっぺを上げるイメージで、口角を上げてみましょう。これだけでも声が高くなったような印象を与えられます。
1音ごとに指で音の高さを追ってみる

音の高さが変わるごとに指を上下させながら、場所を1音ずつずらしていく練習をしましょう。
ドレミファソラシドと音が上がるごとに、声が抜けていく場所も上がるという感覚が少しづつ身につき、オク下の克服につながります。
声が抜けていく場所をイメージしながら発声する

例えば、ファソあたりの少し高い音は鼻骨、もっと高いラシドあたりの音は目元から声が抜けていくイメージで声を出す練習をしてみてください。
この練習はオク下の克服に、特におすすめです。
初めは、ファルセットになることもあるかもしれませんが、続けていくうちに歌声も安定し、オク下も治っていくことでしょう。